ドッグフードの栄養価 脂肪は摂り過ぎに注意。
犬の栄養となる脂肪は警戒されがちですが、大切な働きもしています。しかし、摂り過ぎには注意が必要です。脂肪は犬の体の中でどんな働きをしているのかを調べました。
犬の栄養【脂肪】
脂肪は動物の体に10~40%ほど含まれています。1gにつき、炭水化物やたんぱく質の約2.5倍ものエネルギーを供給出来ます。
しかし、過剰に摂取すると体内に蓄えられて肥満のもとになってしまいます。
脂溶性ビタミンを助ける
脂溶性ビタミンとは、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKの4種類。脂溶性ビタミンは水に溶けないので尿として排出されずに、体内で脂肪組織や肝臓などに貯蔵されて、毎日少しずつ消費されていきます。
ビタミンについては、こちらで詳しく書いていますのでご覧ください。
ビタミンの記事
脂肪は肥満のもとと警戒されていますが、脂溶性ビタミンを助けたり、体の中では合成できない必須脂肪酸の供給源となったりと、必要な働きもあるので適切な量を摂取したい栄養素です。
運動量が多いときや妊娠・授乳中などには、エネルギー源としてとても役立ちます。、他のエネルギー源の摂取が制限される時にも多く必要とされます。
必須脂肪酸
脂肪は、グリセロール(グリセリン)1分子に1~3個の脂肪酸が結合した「中性脂肪」として存在しています。
中性脂肪は消化酵素によって分解されて、吸収されたグリセロールと脂肪酸が体の中で働きます。
ホルモンや酵素などを合成する
脂肪酸はエネルギー源になるだけでなく、細胞膜の構成成分になったり健康な皮膚や被毛を保ちます。
また、体の中のホルモンや酵素などを合成するなど、とても大切な働きをしています。このうち、体の中で合成できないものを「必須脂肪酸」といい、食事で摂取しなければいけません。
犬の必須脂肪酸の代表的なものは、リノール酸やα-リノレン酸(ALA)があります。これらは不飽和脂肪酸で酸化しやすいので、ドライフードの場合は酸化を早める光や高温を避けて、空気に触れないようにして保存します。
犬の栄養【脂肪】の1日の必要量
脂肪の1日に摂取する食品の中の脂肪の必要量を調べました。
成犬で5.5%以上の割合が必要とされています。(AAFCO(米国飼料検査官協会の推奨値)
脂肪が多すぎると
脂肪を多く摂取してしまうと、肥満になり色々な病気の誘因となってしまいます。肥満になると体重も増えすぎになりがちで、股関節を痛めたりの原因にもなります。
必須脂肪酸が少なすぎると
必須脂肪酸が欠乏すると、脱毛したり、被毛のツヤがなくなったりします。傷が治りにくくなり、湿性皮膚炎や生殖機能の低下などが生じます。
効率の良いエネルギー源
妊娠・授乳中などは普通の食事では充分なエネルギーをとる前に満腹になってしまう傾向にあるので、脂肪の割合が多めがいいとされています。
ドッグフードの栄養価【脂肪】のまとめ
脂肪は炭水化物やたんぱく質よりも効率よよいエネルギー源です。しかし、取り過ぎると体内に蓄えられて肥満のもととなるため、警戒されがちです。
少なすぎると毛のツヤがなくなったり傷が治りにくくなるなど犬の体に支障をきたします。愛犬の体系や体調に合った質の良いドッグフードをあげましょう。