犬のたんぱく質の1日の必要量と病気についてまとめました。
犬の必要な栄養素であるたんぱく質についてまとめました。犬の体の組織や免疫機能のもととなり、成長期にはとくに必要な栄養素です。
多すぎても少なすぎても体に支障をきたしてしまうので、愛犬のためにもたんぱく質のことを知っておきましょう。
犬のたんぱく質【必要量】
たんぱく質はアミノ酸がいくつも連なった高分子化合物です。体の中で働くアミノ酸は約20種類もあり、これらが任意の組み合わせで配列することで、皮膚、筋肉、ホルモン、抗体などになります。
たんぱく質は犬の体を構成する物質の約20%を占めるとても重要な栄養素です。
たんぱく質を取り過ぎるとどうなる?
犬の体は動物性たんぱく質を好み、植物性たんぱく質を消化するのはあまり得意ではありません。たんぱく質は量よりも質のいいたんぱく質を摂取させることが大切だと言われています。
高品質な食事は膵臓の細菌の除去に役立ち、尿路感染や体内細胞にとてもよい効果があると言われています。
体に疾患ががない健康な犬なら、余ったたんぱく質はエネルギー源としても利用されますが、脂肪として体に蓄えられることはなく、尿として排出されます。
腎臓疾患とたんぱく質の摂取量の関係はまだはっきりしていませんが、腎臓疾患がなければそんなに気にする必要はないと思われます。
ただし、腎臓や肝臓に疾患を持っている犬で獣医さんからたんぱく質の食事を制限をされている場合には注意が必要です。
たんぱく質が足りないとどうなる?
- 成長不良
- 体重減少
- 貧血
- 被毛のぱさつき
- 筋肉の衰え
たんぱく質が欠乏すると、成長不良、体重減少、貧血、被毛のぱさつき、筋肉の衰えなどが起きます。成長期の子犬やシニア犬は特にたんぱく質は特に必要です。
シニア犬こそたんぱく質は必要!
シニア犬になると代謝が悪くなってきて、たんぱく質の代謝も効率よく行えなくなってくるのでたんぱく質を補ってあげることが必要です。
シニア犬はたんぱく質を多めに与えてあげることが必要です。たんぱく質は筋肉を作ってくれるので引き締まった体づくりができて、健康を維持するのに大切は栄養素です。
1日に摂取するたんぱく質の必要量
1日のたんぱく質の必要量の簡単な計算の仕方はこちらになります。
- 子犬:約9.6g×体重(Kg)
- 成犬:約4.8g×体重(Kg)
成長期の犬のたんぱく質の必要量はAAFCO(米国飼料検査官協会の推奨値では、22.5%以上、成犬で18%以上、シニア犬になるとそれ以上のたんぱく質の量が必要となってきます。
犬のたんぱく質【必須アミノ酸】
体の中で働く約20種類のアミノ酸のうち、多くは体内で合成できますが、必要とする量までは合成することができません。
そのため食べ物から摂取する必要があるものを必須アミノ酸と呼びます。
犬の必須アミノ酸は10種類で、バランスよく含まれていることと、消化率が高いことが理想です。
アミノ酸の含有量までの記載義務はないので、ドッグフードを購入する際には、誇大広告にまどわされずに口コミなどもよく見て、信頼できるフードを選びましょう。
アルギニン
内臓肉に多く含まれゼラチンに豊富に含まれています。体内のアンモニアを無毒化して尿素にする働きがあります。血管を拡張させる働きがあり、心臓をサポートします。
食事でアルギニン量を増加させると腫瘍の進行速度を遅くさせる作用もあります。
ヒスチジン
ヒスチジンは肉に多く含まれています。皮膚のセラミドの生成のサポートをし、皮膚のバリア機能に役立っています。
イソロイシン・ロイシン・バリン
赤身のお肉、卵、ナッツ類のたんぱく質に多く含まれます。筋肉の増強と維持をサポートします。高齢期の心臓病やガンなどでみられる筋肉量の減少による体重減少を予防する働きをします。
リジン
リジンは、疲労回復、カルシウム吸収を促進、肝機能改善、肥満予防の効果が期待されます。
メチオニン
メチオニンは魚や卵に多く含まれています。尿路結石の治療の一部としても使われています。また、被毛の発育にも大きく関係しています。
フェニルアラニン
フェニルアラニンは脳内の神経伝達物質のドーパミンやノルアドレナリン、黒色色素メラニンの材料になります。
牛レバー、黒まぐろ、鶏むね肉などに多く含まれています。
スレオニン
スレオニンは成長を促進し、肝脂肪を抑制する働きがあり、黒まぐろ、豚肉ロース赤身、鶏むね肉、プロセスチーズなどに多く含まれています。
トリプトファン
トリプトファンは犬の体内でナイアシンになり、脳内神経伝達物質セロトニンの材料になります。かつお、卵、豚レバー、牛レバー、プロセスチーズなどに多く含まれています。
犬 たんぱく質【まとめ】
犬の体を構成する物質の約20%を占めるたんぱく質は犬にとってとても重要な栄養素です。
たんぱく質は多少多くても尿と一緒に体外に排出されます。ただし、腎臓や肝臓に疾患がある犬には注意が必要です。
小型犬やシニア犬は多めのたんぱく質が必要になりますので体に合わせて高たんぱくで良質なフードを選んであげたいですね(*^^*)